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平成23年度税制改正法案の一部がようやく成立いたしましたので、中小企業の経営者に特に留意して頂きたい点についてご紹介します。
法人関係税制
1.雇用増加の場合の税額控除![]()
事業年度末の従業員のうち雇用保険一般被保険者の数が、前事業年度末の数に比して10%以上、かつ、2人以上増加している場合に、法人税額の20%を上限として、「増加した雇用保険一般被保険者数×20万円」が法人税額から控除されます。(中小企業の場合)
この税額控除は、平成23年4月1日から平成26年3月31日までの間に開始する各事業年度について適用され、事業年度開始から2カ月以内に公共職業安定所長に、目標の雇用増加数等を記載した「雇用促進計画」を提出したものが対象となります。なお、平成23年4月1日から8月31日までの間に事業年度を開始する法人の場合には、10月31日までに提出したものが対象となります。
2.環境投資税制![]()
平成23年6月30日から平成26年3月31日までの間に、CO2排出削減または再生可能エネルギー導入拡大に相当程度の効果が見込まれる「エネルギー環境負荷低減推進設備等」を取得等して、その取得日から1年以内に事業の用に供した場合に、取得価額の30%相当額の特別償却が認められます。中小企業に限り、法人税額の20%を上限として7%の税額控除との選択が認められます(控除可能超過額については1年間の繰越が可能)。
所得税関係
1.年金所得者の申告手続の簡素化![]()
(1)平成23年分以後の所得税から、公的年金等の収入金額が400万円以下で、かつ、当該年金以外の他の所得の金額が20万円以下の者について、確定申告不要制度が創設されます。
(2)平成25年1月1日以後に支払われる公的年金等から、公的年金等に係る源泉徴収税額の計算について、控除対象とされる人的控除の範囲に寡婦(夫)控除が加えられます。
相続税・贈与税関係
1.住宅取得等資金贈与の改正![]()
直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税特例(平成23年の非課税限度額は1,000万円)は、住宅の取得が前提ですから、敷地については、「住宅の取得とともにする」土地等の取得のみが対象とされています。改正では、住宅の取得に先行して住宅の敷地用の土地等を取得するための土地等取得資金の贈与も非課税の対象に追加されることになります。ただし、翌年の3月15日までに住宅に居住すること等が要件とされています。
この改正は平成23年1月1日以後の贈与から適用されます。
その他
1.消費税
(1)免税事業者
消費税では、基準期間(個人は前々年、法人は前々事業年度)の課税売上高が1,000万円以下の事業者は免税事業者とされていますが、次に該当する場合には免税事業者にはあたらないこととなります。
・個人事業者で、前年の1月1日から6月30日までの間の課税売上高が1,000万円を超えている場合
・法人で、前事業年度開始の日から6月間の課税売上高が1,000万円を超えている場合
この場合の課税売上高の判定に関しては、その期間の給与等の支払金額を用いることができます。つまり、この期間内の給与等の支払額が1,000万円を超えているかどうかで免税事業者となるかどうかを判定することができるということです。有利な方を選択できます。
この改正は、個人事業者については平成25年分から、法人については平成25年1月1日以後に開始する事業年度から適用されます。
(2)仕入税額控除
課税売上割合が95%以上である場合には、仕入れにかかる税額の全額を課税仕入れとみなして仕入税額控除の対象にすることができますが、この制度は、課税期間の課税売上高が5億円以下の場合にのみ適用できることとされます。この結果、課税売上高が5億円を超えている場合には、一括比例配分方式か個別対応方式で仕入税額控除額を計算することになります。
この改正は、平成24年4月1日以後に開始する課税期間から適用されます。
2.非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税
上場株式等の配当及び譲渡所得等に係る10%軽減税率の適用が2年延長されることに伴い、本則税率適用とともに導入されることとされていた「少額上場株式等に係る非課税措置」の施行日が2年延長され、平成26年1月1日から適用されることになります。
<参考>
当初の税制改正法案に織り込まれていた抜本改正に関する事項が継続審議とされることとなりましたが、その主なものは次のとおりです。
・所得税の給与所得控除額の見直し
・法人税率の引き下げ
・減価償却制度の改正
・欠損金の繰越控除の改正
・相続税の基礎控除の引き下げ など